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シンガポールで暮らす中で感じた英語の発音の重要性(日常生活編)

※この文章は2019年当時のものです。

 

シンガポールに来て2年と少し。

私は現在、外資系企業のシンガポールオフィスで働いています。

オフィスのメンバーの多くは中華系シンガポーリアン、それ以外はシンガポール以外からの外国人(主に西洋人)、インド系、その他という構成なのですが、資料やミーティングなど仕事における共通言語は英語。

普段の生活でも、英語はシンガポールの4つの公用語の一つでもあることから、基本的に英語です。(オフィスを出ると、まわりで聞く言語としては圧倒的に中国語(Mandarin)が多いのですが、私が中国語を話せないので、中華系の人も私には英語で話してくれます)

我が家は家庭内でも子どもに英語で話しかけているので、シンガポールにいる間はほとんど英語で過ごしています。

その中で感じた英語の発音の重要性、特に日常での生活における発音の重要性について少し書いてみます。

英語ネイティブでも慣れが必要なシングリッシュ

シンガポールではほとんどの人が英語を話すことができますが、みんな発音や文法に関して完璧かというと全くそうではありません。

Singlish(シングリッシュ)と言われるように、シンガポールのローカルが喋る英語は時に独特でシンガポール以外では通じないような言い回しや単語もたくさんあります。

さらにイントネーションや発音も特有なので、たとえ英語に堪能でも慣れないと聞きづらいこともあります。

「Singlish VS English」by Little Drom Store

見た目もかわいらしいシングリッシュと英語の比較の本。

 

こういった本あり、シンガポールの空港の書店でも置いてあるので、ぜひ興味がある方は手にとってみてください。

Can と already が使えればローカルの仲間入り?

よくシングリッシュの定番と言われるのが、文末によく使われる「Lah(ラー)」

このLahには特に意味はありませんが、強調や全体をやわらげるようなニュアンスで使われることが多いです。

 

そしてなにかできるか聞くために「Can?」と聞いて「Can, can!」と答えるやりとり。

たとえば「Call you back tomorrow. Can?」「Can Can」など。

疑問文にするのではなく、なにか言った後にCan?」をつけて疑問文にしてしまう

そしてYes, I can」のかわりに「Can, can!」で答える。

 

とあるECサイトで商品が売り切れだった時に出てきたポップアップに「在庫が入り次第連絡します。よろしいですか?」といったニュアンスの時にも半ばジョークなのか、文末に「can?」がついていた時には笑ってしまいました。

 

この2つもよく聞くのですが、個人的にとてもシングリッシュだな、と思うのはalready」を使って過去を表現すること

たとえば、I call him already」、と現在形+文末のalreadyで過去完了の意味で使うのです。

この文章、そもそもalreadyの場所もおかしい。でも、文法的には間違いですがこういったalreadyの使い方は頻発します。

あまりによく聞くので、正しくはどこにalreadyを置けばいいのか不安になるほど・・・。

発音やイントネーションも独特

発音も「three」を「トゥリー」と言ったり。シンガポーリアンによると、中国語ではこのthにあたる音がないため、正しく発音できないとか。

これは日本語に「r」の音がないので全部「l」の音になってしまうのと似ているかもしれません。

 

また、非常に表現しづらいのですが、アクセントを置くところが日本人とは違い、なんとも独特なリズムです。

英語ネイティブでも場面によって使い分け

もちろん、シンガポールのローカルの人でも、ものすごくきれいな発音で文法も完璧な人多くいます。

そんな、インターナショナルスクールや留学経験のあるような人でもローカル同士で喋るときは、あえてシングリッシュで喋っているのもよく見かけるので、使い分けもしているようです。

私も普通に話すよりも通じるので、タクシーのドライバーやホーカー、学校の先生とはシングリッシュです。

発音や文法はともかく喋り倒すが勝ち

発音や文法は完璧ではなくても、こちらの人はとてもよく喋ります。しかもスピードも速く、なによりも自信満々で話します。文法に関しては中国語に影響されているのか、間違ったシングリッシュ的な正しくない文法もよく見られます。学校の先生でもこの独特な現在形の多用などを使うこともあります・・。

日本人だと、発音に自信がない、正しい分の構成がや語順が、と思って不安げになってしまうことがあると思うのですが、こちらの人にそんな様子は全く見えません。

特に日常の生活では、発音や文法よりも、自分の言いたいことを言うことの方が大切。

これは、日本人も見習いたいところです。

親がネイティブでなくても英語育児は多い

我が家で、いつもお願いするシンガポーリアンのベビーシッターはシンガポーリアンで、大学生の息子さんがいる40代後半の女性です。

彼女も英語はできるのですが、発音はいまいち。私のほうが発音でいえばネイティブです。しかし、息子さんとは生まれた時から英語で話しているそう。

彼女のように、親が完璧な英語を話せなくても英語で子どもに話しかけている家族は多くいます

これもシンガポールにきて驚いたことの一つ。

 

日本だと親が帰国子女やネイティブでないのに、英語育児をすると「ヘタな発音がうつる」、「英語できない親は子どもに英語を教えられない」などという考えが多数かと思うのですが、そんなことは全くないようです。

 

実際、親はシングリッシュなのに、子どもは完璧なアメリカアクセントの英語を話すというのもよく見かけます。

ノンネイティブな発音に寛容なシンガポール

私がシンガポールで思ったのは、日常生活では、発音よりも、どんどん話すことが大切だということです。

もちろんこれは、シンガポールという国が人種的に多様であり、国外から来ている人が多く、いってみれば英語はほとんどの人にとって母国語ではない、という背景もあるかもしれません。

でも、そのおかげで発音には他の国よりずっと寛容な気がします。

 

これがヨーロッパやアメリカだと、個人的な経験の範囲での感想ですが、発音に厳しくなります。

発音がおかしいと白い目で見られるというか、そこまで行かずともそもそも聞くモードになりづらい雰囲気を感じました。

 

実際、ヨーロッパで子育てをしている人で、英語の発音がちゃんとできない時点で恥ずかしい、と言っている人もいるので、この発音の重要性については、本当に国によると思います。

ただ、コミュニケーションすることがなによりも大切な日常生活では、発音に寛容なことはとてもありがたく、自分の子どもにもどんどん話しかけていってほしいなと思っています。

 

今回は、日常生活での英語の発音について感じたことを書きましたが、仕事をする中、ビジネスの場ではどうでしょうか?

次回は仕事における発音の重要性について書いていきます。