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シンガポールの保育園探しで気づいた自分の軸

シンガポール在住のaikomochiです。

私の娘は1歳半からローカルの保育園に通っています。

今回は、その保育園選びで感じたことをお届けします。

シンガポールは選択肢も豊富で機児童なし!

シンガポールでは日本とは違い、「待機児童」のような現象はあまりありません。

たしかに、人気がある園では、多少待たされることもあります。でも、基本的には親の就労に関わらず、いつでも通年で入園が可能。朝の7時から夜の7時まで預かってもらうことができ、朝食・昼食・昼寝・おやつ付です。

そして、多くの保育園は、1歳半から。でも、乳児専用のケアを行えるところでは、生後2ヶ月くらいから預けることができます。

入園の手続きも、いたってシンプルなところが多いです。希望する園に直接訪問するか何かして、指定の書類に必要事項の記入と身分証明書と予防接種のコピーを添付し、お金を払うだけ。ただ、保育園の月謝は500SGD41,000)から2,000SGD(164,000円)くらいとやや幅があります。※レートは20195月現在

保育方針もモンテッソーリを取り入れたりと、バリエーションも豊富。

日本の保育園探しに比べて、なんと恵まれた環境なんだろう。

恵まれているからこそ陥る、保育園迷子

シンガポールで保育園を探すために、娘が1歳をちょっと過ぎた頃くらいから、シンガポール政府が提供しているシンガポール政府が提供している保育所情報サイト口コミサイトで調べました。

その頃は、ママ友との話題も常にどこの保育園が良かったかが中心。

 

しかし、選択肢が多いからこそ、ここで私はひとつの罠に陥ります。いわゆる「保育園迷子」。

 

A保育園は、近いけど見学に行ったら、ランチがひどい」

B保育園は、先生の態度がとても雑だった」

C保育園は、昼寝を規定の時間より長く取っている」

 

今思えば、完璧な保育園など見つかるわけがないのについついそれを目指していたように思います。まるで賃貸や分譲物件を探すときのように、何件も巡っても納得できるものが出てこない。

 

人によっては20以上の保育園を回っても納得できるところがみつからずという例もありました。

保育園探しに大切なのは「完璧な保育園」なんて存在しないと知ること

そんな迷いに迷っている時に、とある保育園の見学で一緒になったシンガポール人ママの意見に大きく動かされました。

その見学の流れは、該当クラスの教室の雰囲気施設全体の紹介→1日のプログラムの説明というように進みます。

 

これまでに数件の見学をしていた私は、またこの保育園も別の保育園と変わりばえしないと思いながら、窓がないとか、先生のやる気がない、ランチのメニューがしょぼいなど、必死に粗探ししていました。

見学会が終わって、一緒に見学したもう一人の母親に感想を聞いてみたくなりました。その時、わたしはお腹の中がヘドロでどろどろになっていたので、ただ彼女をつかまえて保育園の悪口を言いいたい衝動にかられていたのかもしれません。何かネガティブな共有ができることを期待して。

 

すると意外な言葉が。

 

「手厚すぎる。もう少し普通のところがいいかなと思っている。」

 

彼女はもともと、職場の近くの保育園に子どもをあずけていましたが、職場の移転によって新しいところを探していました。現状の保育園のサービスと比較しての発言でした。

 

正直、「手厚い」という言葉が出てくるのに驚きました。わたしの印象では、手厚さは感じなかった。わたしは続けて、保育園に求めることを聞いてみた。

 

「職場に近くて、通勤がてら子どもを送り迎えできること」

 

「給食のメニューとかは気にしないの?」

「ランチが出てるだけで助かる」

 

「先生がなんかやる気なかったよね?」

「今日は疲れていたのかもしれない」

 

家に帰るまでに、彼女との話を反芻しました。

なんてシンプルな選択基準なんだ。同時に、わたしが当たり屋のように、あれこれ理由をつけてそこまで問題ではないことをおおげさに捉えていたことに気づきました。

でも、もし日本で自分が働いてい状況だったら。ここまでこだわっただろうか。

 

それまで、自分が保育園を探す条件をあれこれあげていたけれど優先しなきゃいけないことってなんだっけ、と思い返しました。これからずっといるわけではないシンガポール。新しいチャレンジをしたい中、少しでもシンガポールらしい生活をしたい。たくさんの笑っちゃうような思い出を子どもと一緒に作りたい。どっぷりローカルな生活。

 

思い返し初めて、気づきました。

もともと保育園は日本人がいないようなところだったらどこでもよかったことに。むしろ、わたしに余裕があって時間があることにまかせて、あれもこれも欲張って、たくさん保育園をみることで、だんだん、存在もしないような「理想の保育園像」を作り上げていることに気づきました。

 

「はじめての子ども」で「はじめての保育園」で「はじめての海外保育」。

経験も知識も足りなかった。そして、いつのまにか少女漫画の恋に憧れるかのように、誰かのFB投稿のキラキラ海外保育園生活に憧れ、桃源郷を探し始めてしまっていたのです。

 

この後、一旦、私は保育園探しをリセットしました。

リセットして出会えた、今の保育園

娘が1歳半を過ぎた頃、散歩でたまたま見かけた公営住宅の敷地内にある小さな保育園を見つけました。近くの滑り台で子どもたちが笑いながら遊んでいるのが印象的で吸い寄せられるように見学を申し出ました。

突然の訪問だったので、見学のアポイントメントだけ取るのかと思いきや、今すぐ見学してよいとのこと。娘をおもちゃで遊ばせながらぐるっと見渡す。

 

雑多な環境で、これまでみた保育園の中で最も小さく、最も雑然としてて。でも、小規模で年齢に関係なく、大家族のように遊んでいる姿をみて、直感的に娘もこの中で遊べたらいいなと思いました。

 

期待せずに保育園を見学したからか、よい印象を持った後は、その保育園のポジティブなポイントしか頭によぎりません。調子がいいですよね(笑)。家から近いとか、月謝が安いとか、先生がしっかりしてるとか。

 

保育園迷子から2年。

娘は、6歳から2歳までの友達と放課後、暗くなるまで遊んでいます。全園児30人。お互いに名前を覚え、国籍を問わずに呼び合う仲間。ちょっと、娘の和風ななまえは呼びにくいみたいで、誰一人正しくは呼んでないのですが(笑)娘もあまり気にしていません。環境を変えたくないと思うほど満足しています。

 

保育園探しは、決して簡単なことではありません。大事な子どもが大半の時間を過ごす場ですし、初めて家族以外の人間と共同生活をする場でも。そう思うからこそ、特に第1子だと思いが強すぎて、たくさんこだわってしまうのもすごく分かります。

 

ただ、その「こだわり過ぎ」が自分を苦しめはじめ、最悪な場合は納得できないままなんとなく選んでしまうことにつながりかねません。

保育園迷子をへて見つけた保育園探しのポイントとは

これまでの経験から、保育園探しの際のポイントをご紹介します。

 

大切なのはこの3つ。

海外での保育園こだわりは、どうしても譲れないところに絞る

わたしの場合は、徒歩圏内で昼寝の時間をコントロールしてくれること。

保育園の自分にとっての価値や特異性(競争力)を見つける

たとえば、導線(駅に行く道なりにあるので、夫の送迎が可能など)や少人数保育など。

全く違う形態の保育園を見て比較する

自分の譲れないポイント(優先順位)を見つけるために、興味のないところにも見学にいき、ピンとこないのはなぜか徹底的に深く探る。

そして、最後に。

海外での保育は、少し不安なところがあるのは仕方のないことだと思います。いきなりよくわからないけど、とりあえず預けることもあるかもしれません。ただ、シンガポールは冒頭にも触れたように待機児童はないので、何かあったとしてもすぐに転園することもできます。

だから、まずは相手(保育園)を信じて。

文化や背景が違うのだから、自分の常識だけにとらわれずに相手を信じてみることが保育園を決める最終的な判断になるのだと思います。さらに、自分の子どもも信じること。

自分の(子ども)ならどんな環境でも楽しくできるだろうと、信じること。

ひいては、この先生なら大丈夫と思えた自分の目に狂いはないと「自分」を信じること。

自分を信じて、周りを信じよう。

信じたからこそ、今があるのだと思います。

 

約半年に渡りどっぷり、保育園探しに翻弄していたわたし。最後には、自分との見つめ合いにまで発展。保育園選びを通じて、大切したい自分の軸を見つけることに。

こんな気づきがあるとは夢にも思いませんでした。

 

さーて、次回は「ローカル保育園あるある」についてご紹介します。びっくり仰天、だけど学びがたくさんなエピソードが。お楽しみに!

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