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シンガポールローカル保育園のママ友事情

子供が小さいうちは親同士のかかわりは欠かせません。シンガポールでのママ友事情はどのようなものなのか、今回はシンガポールのローカルスクールに関して実際に通っていたaikomochiさんにその体験談を書いてもらいました。

※こちらの記事は2019年当時に書かれたものを再掲しており、コロナ以前のものとなります。


シンガポールのローカル保育園に娘を通わせて2年半。いわゆる、園のママ友というのもちらほらでき始めました。園の送り迎えの時に挨拶する、降園時に遊ばせている時に井戸端会議する、お互いに時間がある時登園後お茶するなど、親密度はまちまちですが、インド、ムスリム、中国人、欧米人と幅広く交流しています。

話をしたり、園の活動のボランティアを一緒にするうちにシンガポールならでは?の興味深い経験をいくつかしました。

今回は、その交流を通じて見た「ローカル保育園のママ友事情」についてお届けしたいと思います。

国際社会の縮図?!SNSのグループチャットはまさに国連

シンガポールローカル保育園のイベント考察でもご紹介したように、ローカル保育園では卒園式兼クリスマス会が行われます。そのイベントでは、子どもだけでなく親の出し物もお願いされることがあり、これまでにダンスや歌が披露されてきました。

園側から個別に依頼がくるので、毎年誰に来るのか親はドキドキ。そして、なんと今年は、私を含めた5人に白羽の矢がたちました。私を含めこの5人は、先生への感謝を示す別のイベントでボランティアとして手を挙げた5人。園も頼みやすいと思ったのか即連絡が。

5人の構成は、日本人の私、中華系シンガポール人、インド系シンガポール人、フィリピン系シンガポール人、イギリス人。

早速、5人でグループチャットを作って、どうするかの話し合いが始まる予定ーーだったのですが、まったくまとまらない。

どんどんアイディや議題を出すイギリス人。

「そうだねそうだね」しか言わない、中華系シンガポール人。

興味のある時だけリアクションする、フィリピン系シンガポール人。

まったくリアクションせず、インド系シンガポール人。

みんなをまとめるにはどうしたらいいかひたすら真面目に考えてメッセージしてもみんなにスルーされる、日本人(私)w。

まさに、国際社会の縮図。国連とかG20とか、よく共同声明とか出せるなと、改めてすごさを感じました。

現状、イギリス勢が提案する演目に賛成する中国とフィリピン。インド勢は日本を巻き込み、違う演目(ヒンディーダンス)をするということに。

イギリスが提案したものにインドが反対であることを日本に個別に伝えてきて、日本の巻き込みに入ったのが、2つに別れた理由。フィリピンと中国はイギリスの提案に早々に賛成の姿勢を示したので、慌てたインドが取った措置と思われます。現場からは以上ですw。

ママ友というより、自立した女性同士の関係

さて、私の園のママ友さんたち。特に「こう思われたらどうしよう」を気にしません。グループチャットでまったく意見がかみ合わなくても、園出会えば笑顔。影で誰からの悪口を言ってたりするのも聞いたことがありません。

ただ、人種間のいわゆる「違い」について言及するというのはたまに見え隠れする時があります。例えば、日本人がかつて「中国人は声がでかい」といって軽くからかうような。これは、東南アジア全域(もしかすると世界どこでも)見られることなので、所与のものとして、私は深く捉えないようにしていますが…。

話を元に戻します。

シンガポールでは、子どももころから「言いたいことは言おう」という風に育ってきているからか、他者の意見は尊重しようという価値観だからか、グループチャットごときで、空気よめなくて既読スルーでも、人間関係にはあまり影響がないようにも。

そもそも、この「ママ友」という関係は、旧友のような「友達」という関係よりは、もっとビジネスライク。それぞれが「ママ友作らなきゃ」みたいな感じもありません。

挨拶する中で、2、3年するうちに、自然に「友達」になる人はなるし、ならない人はならないという感じ。

友達がいないとやばいという、いわゆるママ友作らなきゃ症候群のような危機感はなく、自立している。自立した大人の女性同士なので、どんな発言、リアクションをしても関係性への影響はないのです。

さて、卒園式まで2週間なのにまだ演目も決まっていない状態ですが、きっと乗り切れることでしょう。どうなるかは乞うご期待。